モーパッサン「女の一生」あらすじと感想(ネタバレあり)モラハラ浮気男と結婚してしまった末路

今日ご紹介させていただくのは、フランス文学の中でも人気の高いモーパッサンの「女の一生」です。

母の実兄の親友フローベールの指導を受けて文壇デビューしたモーパッサンは、エミール・ゾラ率いる自然主義を代表する作家の一人です。

彼の代表作である「女の一生」は、ゾラの「居酒屋」や「ナナ」などに比べたら登場人物が少なく、ストーリーがシンプルで読みやすい印象です。

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映画「女の一生」あらすじと感想(ネタバレあり)ジュリヤン役がハマりすぎ

著者プロフィール

ギ・ド・モーパッサン(Henri René Albert Guy de Maupassant)1850年8月5日〜1893年7月6日

フランスの自然主義の作家、劇作家で詩人。ブルジョワ階級の両親のもと、ノルマンディー、セーヌ=マリティーム県北部の沿海地域に生まれたとされる。

12歳の時に両親が別居し、エトルタの別荘で母と暮らすようになる。13歳でイヴトーの神学校の寄宿舎に入るもなじめず、18歳でルーアンに移り、翌年、コルネイユ高等中学でバカロレア資格を取得。1870年、パリ大学法学部へ進んだ直後に普仏戦争に召集され、敗走する。2年後、伯父の親友で母の知り合いでもあったギュスターヴ・フローベールの指導を受けるようになる。1875年に短篇「剥製の手」、1876年に詩「水辺にて」が雑誌に掲載される。翌年から先天的梅毒による神経系の異常を自覚するようになった。

1878年、文部省に就職。

1880年、「脂肪の塊」が、ゾラを中心に普仏戦争を扱った同人作品集「メゾンの夕」に掲載され、作家としての地位を確立。この頃から神経系の目の病気が悪化し、勤めていた文部省を休職したのちに1882年に退職する。

1883年、「女の一生」がロシアのトルストイにも評価されて3万部を売り上げる。その成功によってエトルタに別荘を構え、1885年には南仏アンティーブにも別荘を購入した。同時期に目の病気が悪化。

1888年、不眠症を患い、翌年から麻酔薬を乱用するようになって、1892年には自殺未遂を起こしてパリ16区の精神病院に収容される。42歳になった1893年、その病院で亡くなり、モンパルナス墓地に埋葬された。

「女の一生」などの長編6篇、「脂肪の塊」などの短篇約260篇などの著作で知られている。20世紀初期の日本の作家にも影響を与えた。

あらすじ

修道院で教育を受けた、貴族の清純な娘、ジャンヌは、司祭の紹介により貴族ラマール家の子息ジュリヤンと出会います。

二人は恋に落ち、とんとん拍子に結婚。夢に見た結婚生活にジャンヌは心を躍らせます。

しかし、その希望はほどなくして打ち砕かれます。

ジャンヌの両親から預かった財産をジュリヤンは厳しく管理し、ジャンヌの乳姉妹でもある女中のロザリと関係を持ってロザリを孕ませます。

悪びれることなくやりたい放題のジュリヤンですが、ほどなくして取り返しのつかない制裁を受けることになってしまいます。

ジュリアンの度重なる裏切りに絶望しましたジャンヌは、息子ポールの存在が唯一の生きる支えとなります。

が、甘やかして育てたポールにもやがて裏切られ、ジャンヌは見る影もなく年老いてしまいます。

希望に満ち溢れた少女時代から、悪夢のような現実を経て、老い枯れていく女の一生を描いたストーリーですが、最後は意外な幸運が待ち受けていました。

感想

まずこの作品は、文章表現が美しいです。特に山や草、木、海をはじめとする自然の描写が、キラキラとした繊細なガラス作品のようです。美しい自然描写の表現に触れるだけでも読む価値のある本だと思いました。

ゾラの作品同様、登場人物それぞれのキャラクターが際立っていて、まるで映画を観ているかのように、ストーリー展開を楽しむことができます。スラスラと読み進めていけるので、フランス文学初心者さんにも読みやすいでしょう。

純粋な貴族の生娘ジャンヌと結婚したジュリヤンは、今でいうモラハラ旦那だと思います。

経済的DVに加え、不貞を重ね、それでも悪びれることはありません。

貴族の娘として何不自由なく育ったジャンヌは、夫や息子の裏切りにより、だんだんと困窮していき、やがて生まれ育った家を売り払う羽目になってしまいます。

何もかも失ったと思われる時、人生の本当の価値に気づくのかもしれません。

私がこの作品を初めて読んだのは10代の頃でした。

「女の一生」は、自分が女性としていかに生きるかを深く考えせられた、きっかけとなった一冊です。

男に従属して生きると、男に翻弄される人生になることを、教えてくれる一冊でした。

今思うと10代の多感な時期に読んでおいておかったと思います。

大人になってから読み返してみると、平凡な日々の中にもドラマがあり、幸せを見出すことができることが分かり、また違った見方ができるようになりました。

文章表現の美しさを噛み締めるように、人生の節目に何度も読みたい一冊です。

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Ayacoライター
アラフォー独身おひとり様女。10代の時、世界文学を読み漁るうちに、日本の学校教育で教わる生き方との矛盾を感じる。進路に悩み、高校の普通科を1年で中退。 通信制高校に編入し、同時に大検(現在の高卒認定資格)を取得して美大へ入学。在学中にフリーランスのグラフィックデザイナーとして起業。その後、Web制作会社でディレクターとして勤務後、大手広告会社のライターを経て2度目の起業。 30代半ばに、美大へ進学するきっかけとなった、印象派時代のフランスの画家達が過ごした聖地を旅する。 地方在住のアラフォーになり、コロナ禍をきっかけに、学生時代からの夢であった、知的探究心の向くままに世界の文学に触れる日々を過ごしている。 オフィシャルサイトはこちら
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Ayacoライター
アラフォー独身おひとり様女。10代の時、世界文学を読み漁るうちに、日本の学校教育で教わる生き方との矛盾を感じる。進路に悩み、高校の普通科を1年で中退。 通信制高校に編入し、同時に大検(現在の高卒認定資格)を取得して美大へ入学。在学中にフリーランスのグラフィックデザイナーとして起業。その後、Web制作会社でディレクターとして勤務後、大手広告会社のライターを経て2度目の起業。 30代半ばに、美大へ進学するきっかけとなった、印象派時代のフランスの画家達が過ごした聖地を旅する。 地方在住のアラフォーになり、コロナ禍をきっかけに、学生時代からの夢であった、知的探究心の向くままに世界の文学に触れる日々を過ごしている。 オフィシャルサイトはこちら